2017年 05月 11日
頼れないナビ |
スペインは大きな国だ。持参の百万分の1の地図では細かいところまで表記されていない。サービスエリアで見つけた25万分の1の地図でやっと村や町の名前がポツポツ。これとて真剣に村名探しをするには、文字が小さすぎ(!)で大変だ。レンタカーには4年前の経験からナビ(GPS)をつけた。一人で操作していた前回と違って二人だから上手に使いこなせるだろう。
しかしタイトルの通り、ナビがかえって混乱を招くような事も起こった。言語を英語にしたらスペインの地名を英語訛で読み上げるので神経を逆なでされるような違和感がつきまとい、二人で笑っているしかなかった。
さて三日目の予定は、
Santillana del Mar→Llanes→Cangas de Onis→Fuentes→Valdedios→Villaviciosa→Gijonと辿って宿泊のGijonに着くはずだった。
Llanesで高速を外れ海沿いの道にやっと見つけたSan Antolin de Bedonは広い敷地全体がフェンスで覆われ近づくことができないのだった。(前回紹介済み)
次のCangas de Onisは紙の地図ではすぐ近くに書いてあるのに、ナビが候補として表示したのはとてつもなく長距離。何度やってもそうなので諦めて次のFuentesを入力したら、沢山の候補地が出た。だってFuente(泉)なんて地名はどこにでもありそうでしょ。近そうな所に白羽の矢を立てて山の中へ踏み込んでしまったからたまらない。ここがどこだなんて言えないような山岳ドライブを強いられ、狐に化かされたようにぐるぐるぐるぐる、とうとうFuentesを諦め次のValdediosを目指すことに変更した。
893年創建というから9世紀に起源をもつプレロマネスクが目の前にあるのにフェンスの外からしか拝めないなんて。それにしても何とシンプルで潔いこと。見慣れたロマネスク装飾のほとんどない、そのプリミティブさが僕を惹きつけたのだ。こんなにも単純な祈りの場というのは後の世の装飾過多には絶対真似できぬ信仰の深さゆえなのではないか。虚飾を廃したフランス・シトー派の「質実」に似て…往生際悪く、修道院の方も入口だけ眺めまわして退散した。写真にするととてもかわいらしい教会に写ったので、まあいいか。
つぎはもののついでのVillaviciosaへ。 というのもこの写真でもわかる通り、はっきりゴシック時代に後付けしたファサードの母子像の所為だ。でも全体の造作はやっぱりロマネスクが!そして、幾人かのおじさんたちがいたおかげで内部を見ることができた。 こんな風に、くたびれもうけのロマネスク行脚は続き、それでもめげないのはその都度ロマネスクのかけらに癒されていたからに他ならない。ヒホン泊は計画では近くのパラドールを予約しようとしたのだが、Wベッドの部屋しか空いてなくて、おっさんが二人Wベッドというのは却下した。 今回はナビの不具合をボヤいただけでした。
by otebox
| 2017-05-11 23:05
| ロマネスク建築
|
Comments(0)