2012年 01月 29日
たいへんだあ おまけ |
K市Y病院で医師が言った。「8検体のうち1つに、見つかりました。」
えー嘘っ!ぼくは健康には自信があったから、検査なんかはなっから軽く見ていた。
「とりあえずU市のU病院へ『骨シンチ』の検査に行ってください。」
造影剤とMRなりCTなりの透視で転移がないかしらべるのだと言う。
まだ半信半疑のままぼそぼそっと承諾し、紹介状をもらった。
結果、転移はどこにも認められないという診断を得て再びY病院に。主治医が
「どうされますか?」
と示した選択肢は4つ。①摘出(手術してとる)②放射線照射(2ヶ月かかる)③チップを埋め込む(4日間の入院)④ホルモン投与(入院そしてずっと継続投与)だった。即答を避けて、辞した。あれこれ調べてみると、そのどれもがリスクと繋がっている。で、ぼくの選択は②だ。
37日間(土日を除く)毎日通う。同様の患者達と親しく話すようになると、様々な病、事情をかかえて来ておられる事が分かる。
では落ち着いて語る。こんな不安定なアングルになるほど大袈裟な状態じゃない。本当は、
毎日神妙に患者になって通っている。だが、ぼくは全く健康体で、相変わらず3日に一度ジムに行って10キロ近く走っているし、薬は処方されているけど、食べるのも出かけるのも日常は何も変わらない。元気そのもの。
ここまでのいきさつダイジェスト
娘がJICAの青年ボランティアでブラジルへ赴任した10年ほど前から、時間ができたらしてみたい事の1つにシニア・ボランティアが浮上した。中南米のスペイン語圏で学校教育に関する仕事だったらしてみたい。アジアでもアフリカでもいいけどさ、スペイン語ならなんとかなりそうだし。
そして退職、神社の仕事も無事終えて、ぼちぼち・・・と考えた最初の応募は「PSA値の上昇」を理由に返されてきたのだ。慌てて病院へ走り再検査を受け、問題ないレベルと分かったけど、時間切れ。その後、一年を経て再び上昇を見るに至って、ぼくはPSA値を下げたい一心でY病院を訪ねた。
ここからぼくと前立腺のトラブルとの戦いが始まる。
最初のY病院でも、他の病院でもぼくの値(4.833)なんぞは手術どころか検査の対象にもならないと医師は言った。値が10を越えるまで放っておいたという患者もいるし・・・それでも、JICAは4.0以下を要求している。軽く考えていたぼくは、強く精研をお願いした。前立腺の単純な膨張でも値が上がることがあるらしいから、ぼくはそれだと思ったのだ。
それが思わぬ展開になったのは最初の文でお解りいただけました?
ぼくがまだ現役だったら4日の入院で済む放射性チタンのチップを埋め込む手術を選んだだろう。職場に穴を開けないで済む。でもこれには赤ちゃんと一緒の暮らしは避けたほうがよいと言われて止した。孫と関わっていたいもの。たまに会うくらい構わないと言われたけどねえ。
手術で全摘出は排尿障害に悩まされる可能性があるとかで、願い下げ。
男性ホルモンを押さえ込むと進行が止まるらしいのだが、体調や体型(!)の変化が・・・と聞いて、ホルモン治療は止した。プロゴルファーの杉原さんはこれだった。
トモ・セラピーというのが関西で唯一U市のT病院でやってると分かって、それに決めた。(現在はもう少し増えてるらしい)ピンポイントで患部を狙い打つ優れものだから、痛みも副作用もない。おかげで、本当に効いているのやいないのや分からんという状態だけど、週一の血液検査で白血球の管理はしている。
リタイアした身だから時間はいくらでもある。ここへは遠くからの患者も来ている。肺癌で手術できないからという方も、二度手術してここを紹介されましたという方も、通訳つきで中国のおばさんも来てる。
このあとどういう展開になるのか先は読めないんだけど、ぼくはちっとも変わらないぼくのままであります。
そういえば還暦のときも、退職のときも、昨日と同じように今日が過ぎていった。それと同じ。
ブログは不特定多数に自分の情報をたれ流しにする行為だから、書くのをためらう事も多い。ネット上の仮想世界の活動だから、もっと気軽に思いを発信していいのだけれど、そうとは簡単に割り切れない。
一つは永年の公僕生活の習性が、自由な物言いに知らず知らずブレーキをかけている。また、親交のある読者への迷惑になったり、不用意な一言が周囲に軋轢を生むこともあるだろう。なんでもかんでも記事にする行為は最も近い家族だって不快にしてしまう事もあるもの。
だけど、そういうバランス感覚では面白くない。怒りまくり、笑い飛ばし、拘り続ける個人がいなければ・・・いつだったか、似顔絵描きの山藤章二が言ってた。「多少の毒をもらないと(似顔)絵は面白くならない。」というのに似ている。当たり障りなくではない、毒をはらむ発信が面白いのは当たり前だ。ぼくにその能力は欠け気味だが、折に触れて必要な事は言うことにしよう。等身大のぼくを発信しないと。そういうことを考えてて、病気もJICAもつまびらかにした。
by otebox
| 2012-01-29 23:41
| 前立腺プロブレム
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